塩とニガリ
日本ではほとんどみられなくなったが、かつては塩はすべて塩田でつくられていました。1971年、国の法律「塩業近代化臨時措置法」によって、日本各地にあった伝統的な塩田が姿を消しました。 その後、効率の良い「イオン交換膜式製塩法」が主流となりました。スーパーに並んでいる食塩(塩化ナトリウム)がそうです。しかし塩専売公社(現JT)の民営化や、昨今の健康ブーム、そして消費者のニーズが増え、 昔ながらの製法「自然海塩製塩法」で作られた「天日塩」と、その副産物「にがり」が急速に注目されるようになりました。私たちにとって天然塩は必要不可欠なもの。摂取しなければ死を招きます。それゆえ、古代の人々は、塩を得るために「塩の道」と呼ばれる交易ルートを確保したり、地域によってはゴールドと塩が貨幣の役割を果たしたりもしました。 余談ですが、サラリーマンの語源はラテン語で「Salarium」(塩の)という意味。平たく言えば、塩を買うために支払われていたお金を”サラリー”と言い、それが現代の「給料」に発達したとされています。戦国時代の日本でも上杉謙信がライバルでもある武田信玄に塩を送った話は有名です。海に面した越後の上杉謙信は、領地に海が無く、敵に塩の道を封鎖された 甲斐の国の武田信玄に塩を送って窮地を助けました。まさに古今東西、塩の有無は死活問題だったということです。
塩分は健康を阻害しません
塩分の摂りすぎは「カラダに悪い」と評されます。スナック菓子や味噌、醤油、梅干、干物、漬物などさまざまな食品が「塩分控えめ」というキャッチコピーを前面にだしています。まるで塩分は健康の敵、塩分を摂らないことが、健康につながると思われているようです。スーパーやテレビの健康番組だけの問題ではありません。医師や医療機関も高血圧や糖尿病を始めとする 生活習慣病を予防するには、「減塩」の食生活が必要であると主張しています。しかし、塩の摂りすぎは本当にカラダに悪いことなのでしょうか? 実は、科学製法で作られた塩の成分は、天然塩の成分とはかなり違います。天然塩に含まれて、科学塩に含まれていない成分は「ミネラル成分」です。塩には人体の血液、胃液、細胞内には塩が含まれており、組織内の浸透圧を調整します。 人体から塩分がなくなれば、体液バランスが崩れて死を招きます。また、塩分が長期に渡って欠乏すると、消化液の分泌減衰、食欲減退、慢性疲労などを引き起こす原因にもなります。そのほか、塩には腐敗を防ぐ効果があり、化膿や悪臭を消す作用もあります。昔から塩は不浄のものを清めるためにも使われました。葬式のあとや、大相撲の土俵上でも撒いて清めます。古くから塩には カラダに悪いものから身を守ってくれる力があると考えられています。
ニガリは塩の副産物
日本には岩塩層や塩分濃度の濃い湖などがないため、塩は昔から海水を原料に作ってきた。海水には塩分が約3%から3.5%含まれているので、残りの水分を蒸発させれば塩が出来ます。その塩分の中で最も多く含まれているのが塩化ナトリウムで78%。塩化マグネシウム9.6%、硫酸マグネシウム6%、硫酸カルシウム4%、塩化カリウム2%、その他0.3%である。 海水から塩分を取り出す釜炊きの際に出る水分が「ニガリ」である。漢字で書くと「苦汁」または「苦塩」と書きます。 今の私たちは、食生活の変化により、慢性的なミネラル不足の状態にあります。不足した分を良質なサプリメントで摂ることは出来ますが、やはり「目に見える形」で摂りたいものです。そこで注目されているのが「にがり」なのです。その効果は、 高血圧や糖尿病などの生活習慣病から美肌やストレスの解消まで幅広い効果が望めるようです。また使用方法も多岐にわたっており、薄めて飲んだり、料理に加えるだけでなく、にがりローションやにがり美肌水として肌につけたりお風呂に入れたりと様々な活用方法があるようです。にがりは多くの量を摂取する必要はなく、ニオイもないので無理なく使うことが出来ます。